女性の性的欲求低下障害(hypoactive sexual desire disorder: HSDD)治療薬
FDAは、flibanserin(商品名Addyi)を承認しました。
報道によると,賛成18票に対し,反対は6票。同薬は2009年から承認申請されていました。
しかし、これまでに2度の諮問委員会で承認への反対票が圧倒的多数の結果となった他,FDAによる承認も2度見送られていました。
抗うつ薬として開発されましたが、「女性用バイアグラ」などと称されてきたflibanserin。
同適応に対し承認されている医療用医薬品は今までにありません。
閉経前の女性が対象で,100mgを就寝前に服用して使用します。
addyiの特徴
性器や性感帯そのものではなく、脳に効く、とされています。またそのことが「アディー」の特徴ともなっています。
降圧薬としては日の目を見なかったバイアグラ同様,もともと抗うつ薬として開発されていたが,抗うつ薬としての有効性は示せませんでした。
FDAの資料によると,臨床試験で性機能障害の懸念のために実施した副作用評価で,プラセボ群や実薬対照群を上回る性行動スケールの上昇を確認。
ドイツ製薬会社Boehringer が適応を切り替え、2009年に性的欲求低下障害に対する承認申請を行っています
その後の審査では,2度の申請が見送られた。このため,同社は同薬の開発を断念,権利を受け継いde,SproutPharmaceuticalsが臨床開発を継続しています。
女性用薬剤審査の過程では「FDAは男性の性機能障害に対する治療薬を多数承認する一方、女性を対象とした医薬品の審査を厳しくするジェンダーバイアスをかけている」
つまり、男性用はあるのに、なぜ女性用はないのか?
審査機関が、性的な偏見、性差別を抱いているのではないか?のような非難もあったようです。
今回の諮問委員会前に公開された資料では,この点に関する項目が設けられ「FDAの医薬品審査は適正に行われており,ジェンダーバイアスに対する主張は却下する」との異例の意見表明が記されています。
いろいろないわくつきで承認されたわけですが、女性の性機能障害に対する医薬品は世界初です。
興味ある方は、使ってみては?
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