2007年世界保健機関(WHO)は、概日睡眠リズムを乱す交替勤務は発がんリスクを高める可能性があると発表されました。(Lancet Oncol 2007; 8: 1065-1066)。
今回イギリスの研究グループによると、英国人女性37万人以上のデータを解析した結果、概日リズムで朝型の女性は夜型の女性に比べて乳がんの発症リスクが低いことが示されました。
朝方人間の乳がん予防効果を確認できた?
37万人の女性のデータを用いて自己申告による概日リズムが朝型か夜型か?、睡眠時間、不眠症状と乳がんのリスクの関連を分析しました。
その結果、概日リズムが朝型の女性では夜型の女性に対し、乳がんリスクが若干低下していました。しかしながら、睡眠時間と不眠症状とに乳がんのリスクとの明らかな関連性は認められませんでした。
長時間睡眠で乳がんリスク上昇?
その他の解析によると、概日リズムが朝型の女性は、乳がんリスクの低下、そしてがん予防効果を裏付ける医学的証拠が認められました。一方、7~8時間を超える長時間睡眠と不眠症状と乳がんリスクの低下については明らかな関連は見られませんでしたが、なんと、長時間睡眠で乳がんリスクの上昇が認められました。
今回の研究結果は、睡眠習慣の改善が一般人の健康増進につながる可能性があるとしています。
この研究結果は、体内時計に加わるストレスの軽減方法を今後の研究で検討する必要があることを示しています。
それは、健康の維持を長くでき、健康長寿をさらに延ばすことを可能にします。さらには概日リズムに関連する慢性的な病気のリスクを減らすことができるかもしれません。
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今回の医学論文の要約☞ BMJ(2019; 365: l2327)