食欲をコントロールするカラダのメカニズムは、血液中の血糖の高低で調節されています。また、食欲をコントロールするホルモンも関係しています。

空腹感や満腹感に関係するホルモンによい変化を期待できる可能性が示された食べ物があります。それは、多価不飽和脂肪酸を多く含むサーモンやクルミです。

多価不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らしたり、アレルギー症状を減らす働きがあります。多価不飽和脂肪酸は、成人だと1日1.6g~2.4g摂るとよいとされています。

この脂肪酸は、サーモンやクルミの他に、サフラワー油、ひまわり油、大豆油、とうもろこし油などがあり、ナッツ系に多いようです。

これらの多価不飽和脂肪酸は、他の脂肪酸に比べて、食後の満足度が強くなることが今までの研究で報告されています。

以前の報告では、1回の食事への効果で、長期的に摂取した場合の効果はわかっていませんでした。今回の研究では、多価不飽和脂肪酸の多い食事を1週間継続してもらい、その前後の生理的変化(血液検査)と空腹感、満足感について報告がありました。

多価不飽和脂肪酸を多く含む食事を摂ったグループは、空腹時にグレリンという空腹感を与えるホルモンが減少し、ペプチドYYという満足感を与えるホルモンが多く分泌されていました。

ペプチドYYは、多価不飽和脂肪酸を食事で摂った後にも増加していたそうです。この変化は、食欲抑制を促すようです。

血液検査上では、このような変化が見られたが、主観的な空腹感と満足感については、対照とされたグループとさして変わりはなかったようです。

これらのホルモンによる変化が、多価不飽和脂肪酸によるものなのか、他の食事との組み合わせによるものか特定はできなかった。ただ、生理的変化においては、多価不飽和脂肪酸を多く含む食べ物で食欲が抑制変化が起こり、より長い時間、満足感を維持する効果を期待できるとしています。