ピルを使った女性ホルモンによる避妊法が、うつ病の発症のリスクが上昇するかもしれないという研究報告がデンマークの医療グループから発表されました。

女性ホルモンは、気分に影響を与える可能性があると以前より言われていますが、女性ホルモンによる避妊と気分障害の関係は明らかにされてきませんでした。

女性ホルモンによる避妊と抗うつ薬、そして、うつ病の診断との関係を検討しました。対象は、うつ病や抗うつ薬の使用歴、不妊治療歴などがない健康な女性106万人、15~34才(平均24.4才)で平均6.4年の追跡調査を行いました。

解析の結果、エストロゲンとプロゲステロンの混合ピルが1.23倍、プロゲステロン単独のミニピルが1.34倍と抗うつ薬を使用するリスクがありました。
避妊用ピル

また、避妊パッチは2倍、膣リング・エトノゲストレルが1.6倍、膣リング・レボノルゲストレルが1.4倍と有意に認められました。
膣リング入れる場所
膣リング

思春期の女性ホルモン混合ピルと女性ホルモン(プロゲステロン)単独ピルの使用は、抗うつ薬使用との関連性が強いことがわかりました。

※コメント
女性ホルモンが何かしらのホルモンバランスの影響で気分障害が起きるのはなんとなくわかるのですが、避妊リングを入れることにより、うつが発症しやすいというメカニズムがよくわかりません…。

☞海外の医学文献から
JAMA Psychiatry 2016;73:1154-1162