閉経した女性の75%が、平均約5年間は、更年期症状としてのホットフラッシュ(ほてり)、寝汗を経験する。生活の質も落ち、経済的負担もかかります。
一部の女性は、ホルモン補充療法 (HRT)を行う。非常に効果的な治療ではあるが、その副作用として、心血管疾患、乳がんなどを引き起こす可能性がある。他の従来の治療として、HRT ほど効果的ではないが、選択的セロトニン再取り込み阻害薬などもあるものの、副作用も引き起こしてしまう。
民間療法は、毎年アメリカ合衆国で$ 340 億もの自己負担支出を占めています。女性の 50% 以上は、更年期症状のために、安全性と有効性の証拠はほとんどにもかかわらず、これらの民間治療を行います。鍼灸師は、更年期女性にとって、もっとも支持されるセラピストです。
鍼治療は安全であり、モノアミンに作用し、VMS の病態に関与しているのかもしれません。VMSに対する鍼治療は、セルフケアや無治療よりも効果的ですが、刺さない鍼(刺入するのではなく 皮膚に当てるだけ、または少し擦るだけ)との対照試験においては議論の余地がありそうです。
以前に報告された最近のメタ分析では、ホットフラッシュに対して、鍼は、刺さない鍼より効果がありそうですが、少ない対象群では、この効果を過大評価だと評しています。
研究デザインの時に、刺さない鍼治療より鍼治療の優位性のみを報告された研究だった。今回の研究目的は、女性更年期障害に対して、広範な対象群として、中国医学の鍼治療と刺さない鍼との効果を比較することであった。
1日に7回以上のホットフラッシュを経験し、中国医学で腎腸不足の診断基準を満たした閉経後期または、閉経後の40歳以上の女性を327例に対して、標準的中国はり治療群と刺さないはり治療群164例をランダムに分けて、8週間に10回のはり治療を行った。
その結果、治療終了時の平均ホットフラッシュ・スコアは、中国はり群15.36、刺さないはりは15.04で有意差は認められなかった。
結論
ホットフラッシュの治療に対して、中国はり治療は、刺さないはりより効果的だとは言えない。
※コメント
はり治療の愛好家には、少し衝撃的な研究結果でした。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
にほんブログ村
Acupuncture for Menopausal Hot Flashes: A Randomized Trial.
Ann Intern Med. 2016 Feb 2;164(3):146-54. doi: 10.7326/M15-1380. Epub 2016 Jan 19.