健康診断などによる尿潜血の陽性率は、女性に比べると男性に高いとされますが、実際には女性も陽性率が高いらしいのです。

尿潜血とは、尿に血液が混じっていることをいいますが、これは肉眼的に見て赤っぽくなくても、顕微鏡で見ると血(赤血球が見えればよい)混じっていることをいいます。

東京女子医大の性差医療における専門外来によると、外来受診者の約30%が尿潜血陽性で、そのうち腹部エコーをしたところ、尿路結石がもっとも多く51%を占めていました。

尿路結石がある女性は、ないひとに比べると明らかに平均年齢が高いことがわかりました。特に、尿潜血率が高い年代は50才代以降に増加し、60才代になるとより高くなる傾向のようです。

このように尿潜血のひとは、積極的に腹部エコー検査を行えば、早期に尿路結石を発見できることになります。

尿路結石が50才代から増え、60才代ではより増えていく理由には、閉経が関係しています。閉経後に、女性ホルモン(エストロゲン)が減少することにより、尿にカルシウムの排泄が増加するため、結石が形成されるのでしょう。

閉経後には、閉経前に生じにくかったさまざま病気が生じます。男性に起きやすくて、女性に起きにくい病気には、「痛風」も挙げられるでしょう。痛風は、尿酸の値が高くなるために生じます。

これもやはり、女性では閉経前には痛風は起きにくいですが、閉経後には女性でも男性と同様に痛風が起きます。女性ホルモン(エストロゲン)は尿酸があまり上がらないように抑制しているのです。

 

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