日本人女性の12人に1人は、かかると言われる乳がんですが、女性のがんの中で患者数が一番多いです。
スクリーンショット (7)
厚生労働省HPより

乳がんを発症したひとは、もう片方の胸にも乳がんができやすいと以前より言われていました。
アメリカの研究グループがこれを裏づける報告をしました。

乳腺密度が高いタイプの乳房を持った乳がん患者は、反対側の乳房にも乳がんが発症しやすいと報告されました。

乳腺密度が高いタイプの乳房は、通常の密度に比べて乳がんの発症率が2倍とされています。(乳腺密度が高いタイプの乳房は、脂肪よりも繊維性の乳腺が多く占めます)また、このタイプの乳房は、乳がんにかかった時に、その後も片方に乳がんができやすかを研究をしました。

マンモグラフィーの特徴として、1密度がない部位は脂肪で黒く写る、2密度がある部位は線維性の乳腺で、乳腺の密度が高いとより白く写ります。ちなみに、乳腺の密度が高いと小さい乳がんは発見しにくくなります。

乳房マンモグラフィーによる

乳腺密度には、その他にいくつかの関連している要因があります。若い女性、閉経前の女性、閉経後にエストロゲンを投与している女性が乳腺密度が高いです。また、遺伝的要素も関係しています。

対象は680人で、乳がん229人、451人が対照者で、乳がんの39.3%が低密度乳腺、60.7%が高密度乳腺、対照者のうち48.3%が低密度、51.7%が高密度乳腺でした。

乳がん患者のうち、高密度乳腺である人は、そうでない人に比べて、1.8倍のリスクで片方にも乳がんができやすい結果が出ました。

化学療法、ホルモン療法を行った女性は、片方の乳房にはがんができにくい結果も出ています。ホルモンのレセプターを持っているかどうかは、乳腺密度にはあまり関係ないようです。

乳がん患者さんで、乳腺密度が高いと高くないひとに比べて、片方の乳房にも乳がんができやすく、リスクが高くなるので、MRI検査も推奨されています。

※乳がんのなった方、もともと乳腺密度が高い方は、片方にできるリスクも高くなることにも注意して、定期検診を受けましょう。

要約文献
mammoraphic breast density is saaociated with the development of contralateral breast cancer
Cancer: june1,2017;1935-1939