「女性は、身長が10㎝高くなるごとにがんのリスクが約16%上昇する」という少しショッキングな話題を。

ふつう、「がん」というと、喫煙、飲酒、さまざまな環境因子が原因で起こるとされていて、原因が「身長?」なんて答えるひともまずいないでしょう。

背が高いというだけで、10種類のがんで有意なリスクが1.16倍上昇するという。それは、結腸,直腸,乳房,子宮内膜,卵巣,腎臓,中枢神経系,メラノーマ,非ホジキンリンパ腫,白血病の10種です。

高身長とがんリスクとの関連性は以前の研究でも示されていますが、今回はより多くのがん種について,さまざまなライフスタイルや社会経済的背景を持つ女性約1万人の追跡調査のデータで検討されたました。

今回の臨床結果は,20世紀に人類の平均身長が伸びたことが,この間にがん発症率の変化になんらかの影響を及ぼしている可能性があるのだといいます。

喫煙者は、当然リスクが高くなりそうですが、喫煙者はがんの発症リスクが有意に低かったのです。また、喫煙と関連するがん種と身長との関連が他のがん種に比べて弱かったです。

さらに、今回の研究と同様に、欧州,北米,オセアニア,アジアの世界各地で同様の結果が認められました。

高身長とがんリスク上昇との関連は,さまざまな種類のがんや異なる人種において、共通して見られることから,ヒトの成長期の段階での共通した基礎的機序の存在が示唆されると考察しています。

身長は、成長ホルモンレベルや遺伝的要因のほかに,食事や小児期の感染症などの環境要因が考えられています。身長は変えられないのですが、一方で、高身長が心疾患など他の疾患リスクを低下させることも示唆されています。

今回の結果は,がんの発症機序を理解する一助となりうるという点で重要であると述べています。

その他の研究でも、がん発症予測因子として,今後は成人後の身長よりも栄養状態や心理社会的ストレス,幼少期の疾患を探る必要があります。

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