今回は、更年期移行の多民族対象者の研究です。

42〜52歳の3302人の女性参加者に、無傷の子宮と少なくとも1つの卵巣があり、性ホルモン治療をしたことがないひとを対象にしています。

参加者は、白人、黒人、ヒスパニック、中国人、そして日本人。初診時および10回診察時に、自己管理アンケートによって性機能を評価した。血液検査は、T、エストラジオール、FSH、SHBGおよびデヒドロエピアンドロステロン硫酸塩の血清レベルを測定した。

性交中の自慰行為、性的欲求、性的興奮、オルガスム、性交時痛みの自己報告頻度。

初診時には全ての女性が閉経前または早期閉経周辺の時期であったが,10回目の診察時には76.9%が閉経し,8.5%が手術により閉経したと回答した。6.99%は女性ホルモン治療をしていた。

また、パートナーがいない女性の割合はベースライン時には13.9%,10回目の診察時には22.8%であった。性機能のうち10年間で最も変化が大きかったのは性欲を感じる頻度で、初診時には58.4%の女性が週に1~2回性欲を感じると回答したが、10回目の診察時には35%に低下していた。

オナニー、性的欲求、性的興奮は、男性ホルモンと正の関連があった。オナニー、性的興奮、およびオルガスムは、FSHと負の関連があった。

また、パートナーがいない女性では,いる女性と比べてマスターベーションの報告率が有意に高かった(55.4% vs 47.23%)。

エストラジオールは、測定された性機能とは関連していなかった。性交時の痛みは、どのホルモンとも関連していなかった。性機能と内因性ホルモンに関する研究結果は相矛盾しているところもある。

性ホルモンは中年女性の性機能に関連していた。Tは積極的に関連付けられ、女性の性機能におけるアンドロゲンの役割を果たしている。FSHは負の関連性を示し、女性の性機能における更年期の役割を果たしている。

この大規模な研究の性機能と性ホルモンとの関連性は、臨床的意義は小さく,性機能にはパートナーとの関係性など心理社会的な因子がより強く影響している可能性もある。

/////////////////////////////////////////////////////

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

にほんブログ村