母乳で育てた経験のある女性は、子宮がんのリスクが低いと、研究報告されました。
Obstet Gynecol 2017 ;129
☞予備知識
子宮がんは、子宮頸がんと子宮体がんを総称したものです。
子宮頸がん:子宮の入り口のがんで、若くして結婚し、何回も妊娠したひとに多い。
原因の1つにウイルス(ヒトパピローマウイルス)と言われています。このことは、自分が学生時代だったときに、当時だれも提唱していなかったのですが、婦人科の教授が仕切りに、「子宮頸がんは、不特定多数の人と性交をしたひとになる」と授業で言ってました。のちに、ヒトパピローマウイルスが原因とわかりました。※ウイルスの中には、がん、肉腫の原因になるものが意外に多いのです。
子宮体がん:胎児が育つ部分のがんで、50~60歳代の子供がいない未産婦に多いとされています。修道院の女性に多いとされています。肥満、高血圧、糖尿病などの合併が多いとされます。
子宮頸がんとは、対照的ではないでしょうか?ウイルスとの因果関係はなさそうです。
研究によりますと、母乳哺育歴と子宮体がんと関係を検討した結果の報告です。
出産経験のある子宮体がんの女性約9000人と出産経験のある子宮体がんでないひとを対象とし、解析した結果、母乳で育てたことのある女性は、子宮体がんのリスクが11%低下しました。
母乳の哺育歴によるリスク低下と出産回数との関係は見られませんでした。また、BMI(肥満係数)や腫瘍の種類による違いもありませんでした。
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